【新入社員の育成に必要なリーダーシップとは?SL理論で効果的に指導しよう】

新入社員

今回は、新入社員の育成に必要なリーダーシップというテーマでお話ししたいと思います。

新入社員は、社会人としての基本や業務に必要な知識やスキルを身につけるために、上司や先輩から様々な指導やサポートを受けます。

しかし、その指導やサポートの方法は、一様ではありません。

同じことを言っても、部下の状況や個性によって受け取り方が異なります。

また、同じ部下でも、業務内容や経験度によって必要な指導やサポートが変わります。

では、どうすれば部下の状況や個性に応じて最適な指導やサポートを提供できるのでしょうか?

その答えが、「SL」というリーダーシップ理論です。

❖SL理論とは

SLとは、「Situational Leadership」という英語の略称で、「状況対応リーダーシップ」と意訳されます。

この理論は、ポール・ハーシー氏とケン・ブランチャード氏によって開発されたもので、部下の意欲(モチベーション)と技能(能力)に応じて上司が取るべき指示的行動と支援的行動を変えていくことを提唱しています。

具体的には、以下の4つの組み合わせから部下の状況(開発レベル)を判断します。

– D1:高い意欲はあるが技能が低い

– D2:低い意欲で技能も低~中


– D3:意欲は変化し技能も中~高


– D4:高い意欲で技能も高い

❖部下の状況と上司の振る舞いのマッチング

そして、それぞれに対応する上司の振る舞い(リーダーシップスタイル)は以下の通りです。

– S1:指示型 具体的な指示を与え、仕事の達成をきめ細かく管理する

– S2:コーチ型 指示を与え管理するが、決定されたことも説明し、疑問に答えつつ提案を出してもらうことで前進できるよう励ましながら支援する


– S3:支援型 仕事の達成に向かって努力を促しつつ、考え方を合わせ部下自身が決められるよう仕向けていく


– S4:委任型 意思決定と問題解決の責任を部下に任せる

この理論では、「D1の部下にはS1のリーダーシップ、D2の部下にはS2のリーダーシップ、D3の部下にはS3のリーダーシップ、D4の部下にはS4のリーダーシップ」というように、部下と上司がマッチすることで最高のパフォーマンスが発揮できると考えます。

逆に、マッチしない場合は、部下が不安や不満を感じたり、上司が過干渉や放任に陥ったりする可能性があります。

例えば、新入社員であるD1の部下に対して、上司がS4の委任型で接した場合、部下は仕事のやり方や目標がわからず不安を感じるでしょう。

また、経験豊富なD4の部下に対して、上司がS1の指示型で接した場合、部下は自分の能力や判断力を信用されていないと感じて不満を抱くでしょう。

このようにSL理論では、「一律ではなく柔軟なリーダーシップ」が求められます。

❖SL理論を実践するために必要なスキル

そのためには、以下の3つのスキルが必要です。

– 観察スキル 部下の意欲と技能を正確に把握する

– 対話スキル 部下と共通認識を持ち合意形成する


– フィードバックスキル 部下へ適切な指示や支援を提供し効果的な評価を行う

これらのスキルを身につけることで、新入社員育成担当者はSL理論で効果的に指導し、新入社員自身も自ら成長し成果につなげることができるようになります。

今回の記事が新入社員の育成に役立てば幸いです。

今回もお読みいただきありがとうございます。

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